2014年12月アーカイブ

[ 11・30清末愛砂講演会報告 ]

  < 日本社会は,いまだ大日本帝国の中 >

 11月30日15時から北海道教育会館・大雪において室蘭工業大学大学院清末愛砂准教授を招いて講演会を行いました。テーマは、「集団的自衛権の今日的課題」でサブテーマが「格差社会と女性活用」でした。

 1,今、我々は どんな社会に住んでいるのか?                      

 清末さんは最初に、ヘイトスピーチやナショナリズム、北星学園問題などが起きて   いる中で、この社会で何を見ていくかと語り始めました。「女性蔑視」「日本社会がいまだ大日本帝国の中にある」、その1番下にいるのが、朝鮮、韓国、そして女性であると指摘しました。  

 民族差別や猛烈なバッシングがある。どうしてここまでバッシングを受けるのか。1番下に位置付けられている女性とかが、上にものを言ったり、抵抗した時、日本に対する批判は許されないという非常に危険な社会になっています。これは、メディアも含めて言えることで、そういう国家が集団的自衛権の行使を行うのです。             

 意味するところは、今回が初めてではなく、アフガニスタンの時、自衛隊がインド洋に出て行った時に既にかかわっていたのです。7月1日というのは、後方支援でなく、主体的にかかわっていくということだということを訴えました。

 集団的自衛権行使問題を巡る議論の中で欠けているもの

● アメリカなどの大国により攻撃を受けた側の小国がどのような被害を受けたのか。    受け続けているのかなどを明らかにし、被害を受けた側の視点に立つことが肝心。
 アフガニスタンなど
攻撃を受けてきた国における女性に対する暴力を助長してきた。復興支援の欺瞞性・・・自らが破壊しておいて<復興>させるという上からの目線はなのをもたらしたのか?・・・復興支援は誰を利するのか。

● 特定秘密保護法の完全施行は・・・監視社会と警察社会への道でしかない。


2,日本国憲法と非暴力:積極的平和主義とは磨偽薬の発想

● この時代における課題:日本国憲法の非暴力性を確認することの意義

 ■  憲法前文(平和的生存権)■  第9条(戦争の放棄・戦力及び交戦権の否認)

 ■ 第13条(個人の尊重・幸福追求権) ■ 第14条(法の下の平等)

 ■第24条(家庭生活における個人の尊厳と両性の平等) ■ 第25条(生存権)

◎これらの条文が複合的に結びつくことにより、日本国憲法の<非暴力性>が大きな意味を持つと同時に、その機能が強化される。
  

3,憲法学とジェンダー平等                                 

 ● 第24条のエッセンス                                        

  <夫婦の同等の権利、相互の協力、個人の尊厳、両性の本質的平等>

 ● 第24条の存在は、憲法学の世界で無視されがちでであり、消極的な評価。

 ● 第24条の意義は、

  ■ 家制度の廃止は、大日本帝国の土台を支えてきた抑圧制度の廃止に他ならない。

  ■ 家庭内のジェンダー差別の克服を導くための解放の理論!

 ● 第24条を巡って2004年以降の反動攻勢

  ■  第24条を見直せ、という声が高まる:家族の価値・共同体の価値の重視   

  ■  日本国憲法改正草案では、家族の助け合いが強調されている・・・家族主義

  ■  大日本帝国時代の家制度の発想につながるものであり、歴史的逆行である。

  ■  家族の助け合いを通して・・・社会保障制度が否定される。              

4,格差社会とはジェンダー問題に他ならない。                                              

 ● 格差社会は、労働環境の悪化によりもたらされ、非正規雇用へと追い込む政策がと

  られ、今やブラック企業など正規雇用も危なくなっている。

  ■<多様な家族>として「ひとり親」世帯に対する社会保障の欠如が問題である。 

 ● 派遣労働は、主に女性が対象になってきたがその時代は問題にされず、男性が派遣 

  労働者として働かざるを得ない状況になると初めて社会問題化した。男性中心主義

 の発想が問題であり、ジェンダー視点が欠如している。

 ● <男女共同参画>政策という罠にはまりかけている。                     

  ■ 日本社会は猛烈なジェンダー不平等社会である。その元は、1985年の雇用機

   会均等法と労働者派遣法の制定にある。                          

   ・<男なみ>に働ける女性は雇用機会均等法で救済し、それ以外の女性は労働者

    派遣法の対象となり分断された。                           

                   ↓↓↓                   

     30年後の現在=2014年・・・何が起きているのか?

   ・<女性活躍推進法>閣議決定・・・国会上程・・・解散で廃案                     

   ・同時に「労働者派遣法」改悪法案・・・解散で廃案・・・反対世論 

   経済成長の一環として女性労働力(低賃金・長時間労働)を狩り出すもので

  あり、「輝く女性」とは誰であり、数値目標に入る女性はだれか?

 ● 日本学生支援機構問題・・・<奨学金>や<支援>という名の高利貸し

  ・多額の借金を抱えて社会人となっても希望は持てない。(さらに非正規労働)

5,誰が戦争に動員されるのか?:棄民化と戦争の関係

  ● 集団的自衛権の行使容認とは、・・・人の死を前提としている。:棄民化

  ● 軍事費の増大=社会保障費の削減、教育費の削減 

  ● 経済的徴兵制(例:米国)と自衛隊内のセクハラ

  ● 戦争の民営化:民間人も戦争へ動員される。      

  ● <利用>できる者は利用し、戦争・監視体制へ動員する。

  ● <利用>できない者は切り捨てる一方で、社会保障を否定する。    

 今日の安倍政治は、まさしく大日本帝国時代の思想にもとづいて行われていることが

明らかになりました。

 我々、ひとり一人、女性蔑視等の思想を根底に持ってないか、点検する必要がある。