2016年6月アーカイブ

   巻 頭 言     < 広 島・沖 縄 を 考 え る ! >  

                                                       護憲ネットワーク北海道・共同代表 吉 井  健 一  

 オバマ大統領が広島の平和記念公園を訪れ原爆について次の

ように語りました。

  「空から死が降ってきて、世界は変わった。光線と火の壁が街を

破壊した。人類は自らを破壊する手段を手にした。」

 マスコミ各社はおおむね、~謝罪はなかったものの悲しみ、哀悼

の気持ちが込められ、被爆者の心に届いたのではないか~などと

肯定的に評価しました。

   しかし、他人ごとのように「空から死が降ってきた。」とはどういう

表現でしょうか。悪魔の爆弾を降らしたのは米国であり、大量殺人

であることを糊塗しているのは許せません。戦争の早期終了を企

図したとはいえ人類最初の原子爆弾を使用した罪は消えないので

す。

  また、1944年以降、軍事施設を破壊するよりも市街地を破壊し打

撃を与える意図を持った「東京大空襲」・「大阪大空襲」などの「都

市爆撃」は、当時の戦時条約で「禁止」されていたことも明確であり

許されないことでした。このような米国の罪は「謝罪」すれば消える

ものではありませんが、被爆地「広島」・「長崎」を招いた日本側の

任を問わなければなりません。    

 大元帥としての天皇「裕仁」は、全ての戦況について報告を受け

ていたのは事実です。1944年7月のサイパン島陥落以降「制海権」

「制空権」を失い「敗戦」の色は濃厚になっていました。45年3月10

日の東京、13日大阪、17日の神戸など物量に物を言わせた大空襲

を受けながらも「本土決戦」を怒号しておりました。26日には「本土

決戦」の「捨て石」にされた沖縄に米軍が猛攻撃を始めました。

   6月まで3ヶ月に亘った「鉄の暴風」などと語り継がれている「沖縄

戦」の悲劇が存在したのです。大本営は、今一度戦果を挙げて停戦

に持ち込もうと画策していたのです。「捨て石作戦」に見られるように

沖縄県民の命などは考慮の外だったのです。

   ドイツ・イタリアが連合軍に降参してポツダム宣言が出されたのは

7月26日ですが、その時点でも受け入れる決断はなく、敗色濃厚の

中「天皇制」を如何に継続するかの一点に全てが絞られていた中で

の「広島」であり、「長崎」であったのです。

  歴史にIF(もしも)を持ち込むことは許されませんが、「敗色」濃厚

な中で彼我の力関係を冷静に分析し、国民の生命と窮乏生活を第

一に考えるならば「沖縄戦」の悲劇も「広島」・「長崎」の被爆も存在

しなかったのです。

   しかも、天皇「裕仁」は、戦後、マッカーサー司令官に「沖縄はご

自由にお使い下さい。」と述べているのです。

  「東京裁判」において天皇は、東条英機などの軍幹部に戦犯と

して全ての「戦争責任」を負わせ自らに降りかからないように裁判

官に生活に窮していた公爵などの華族令嬢を「慰安婦」として次々

に宿舎に送り込んだことも明らかになっています。

  天皇の「臣民」として「軍国主義教育」を受けてきた国民は、2,0

00万人にも及ぶアジアの人々を殺傷した「加害者」としての責任を

問うこともなく「東京裁判」の結果に安堵し、素直に受け入れたので

した。

 戦後一時期、吉本隆明氏(作家・吉本ばなな氏の父親で詩人・文

学者)など一部の知識層に「戦争責任」を問う声は出ましたが、全体

のものにはならず今日に至っているのです。

 世界で唯一の被爆国として「広島」・「長崎」が、<語り部>によっ

て全国に伝えられてきました。<核兵器も戦争もない世界>を目指

して全国から選ばれた<高校生平和大使>が国連を訪れて要請行

動を行うなど<核兵器廃絶>の取り組みは発展しょうとしています。

 無責任なオバマ演説に満足することなく、「広島」を、「長崎」を、

「沖縄」をその歴史と現状を今一度考え、<核兵器も戦争もない世

界>の実現を目指して取り組みを進めようではありませんか。

 

 <改憲阻止・安心、安寧の生活を実現するために、

    参院選野党三分の一勢力確保に向けて!>

 

      参議院選挙 4つの争点

 

❦ < 憲 法 >

  戦後70年間、一言も変わることなく、平和を守り続けてきた憲法。 

 改憲論にどう向き合うか。9条をどう護るか。

 

❦ < 安保法制 >

 集団的自衛権行使を認め、米軍を世界規模で支援する安全保障

関連法の廃案を実現するためにどのように取り組むのか。

 

 ❦ < 原 発 >

 東電福島第一原発事故から5年3ヶ月、事故から収束しないまま

原発の再稼働が進む。脱原発に向けてどのように取り組むのか。

 

❦ < くらし・アベノミクス >

 企業収益を上げ、景気の底上げを図るアベノミクスで庶民のくらし

は、良くならない。貧困・格差の拡大をどのように解消するのか。

 

 6月22日に公示された参議院選挙は中盤を迎え激しさを増し

 報道の自由を安倍内閣に差し出したマスコミは、自公政権に

有利な「選挙情勢」を掲載するとともに焦点ずらしにやっきになっ

ております。しかし、我々の争点は前述したとおり、{くらし・アベノ

ミクス、安保法制、原発、憲法}の4点に絞られております。

 2014年12月の衆院選から一年半あまりを経過しましたが、

日本は変わりました。「アベノミクスは結果を出している」と、安倍

晋三首相は強調しています。確かに有効求人倍率は改善し、中

小企業の倒産は減りました。(注・求人倍率は、少子高齢の結果

求人層が減少したためであり、成果ではない。)

 しかし、その一方で貧困にあえぐ子ども、奨学金を返済できな

い若者、低賃金で働く非正規労働者、貯蓄が底をつき頼る人も

いない高齢者など、アベノミクスの恩恵を受けない人たちの苦吟

する声が全国津々浦々から聞こえてきます。

  昨年9月19日に成立した安全保障関連法は、自衛隊が米国

とともに地球の裏側まで行って戦争をする道を開きました。自公

などはこれで日米同盟が強化され、日本は安全になったと強調し

おります。

  しかし、ご承知のように、この法律は憲法学者の約九割が違

憲と指摘し、今も国民の多くが反対して毎月19日には「廃案」を

求めて集会・デモが全国各地で繰り広げられております。

  当会が事務局を務める<憲法9条を世界に拡げよう!憲法を

市民の手に取り戻そう9の日行動>は、JR札幌駅西口・紀伊國

屋書店前で毎月9日昼休みを中心にチラシを配布し、マイクで呼

びかけており、6月で22回を迎えました。

  野党が提出した廃止法案は、不当にも自公政権による争点排

除によって国会では一分の審議もされませんでした。廃止法案を

提出した勢力である四野党は、参院選で三十二の一人区すべて

に統一候補を擁立しました。国会で不発だった論戦は参院選に引

き継がれております。

 原発は、一年半の間に再稼働が続き、今は九州電力川内(せん

だい)原発の二基が稼働しています。東日本大震災から5年以上

経過しましたが福島原発の放射能は、空を、海を、野山を汚染し

福島県民の命を奪おうとしております。福島原発事故は、予測され

ていたのに対策をしなかった「人災」であるにもかかわらず、東電

や政府の責任は不当にも不問にされたままです。

  また、賠償金などを削減するために「安全」を強調し、帰還運動

を繰り広げるなど事故を風化させようとしていることは許されません。

参院選は原点に返り原発再稼働の是非を問う機会となるのです。

  これらの問題を包含するのが憲法です。憲法は本来、国民のくら

し、平和、安心を守るものです。そして権力の暴走を縛る立憲主義の

精神が貫かれているのです。その憲法を安倍首相は2018年9月ま

での自民党総裁任期中に変えたいと考えています。

  改憲には衆参両院で三分の二以上の賛成で改憲原案を可決し、

国民投票にかける必要があります。衆院に続き、参院で自民、公明、

おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党の「改憲勢力」が三

分の二を得るか否かが、大きな焦点となっています。

  今回からは十八、十九歳の若い240万人が有権者に加わります。

戦争に動員されるかもしれない人々であることが彼等の選択に掛か

っていると同時に、彼等の10年後、20年後の生活を選択するのが

参院選であることを理解してもらうことが重要です。

  「くらし・アベノミクス」「安保法制」「原発」「憲法」の争点について

4野党間の政策には多少の相違が存在しますが、<改憲阻止>に

向けて取り組みを進めようではありませんか


 綱紀粛正と再発防止策で事件・事故はなくならない!

 沖縄に米軍基地はいらない! 

 戦争準備の「基地」を撤廃させよう!

  70年間、国土面積の0,6%にあたる沖縄県に在日米軍基地の

74%を押しつけてきました。

  3月の女性暴行、4月の覚せい剤取締法違反、5月の女性暴

行目的の殺人・死体遺棄に続いて、今月4日、米軍嘉手納基地所

属の米海軍兵が酒に酔った状態で嘉手納町水釜の国道58号を

逆走し、2台の軽自動車と次々に衝突し、男女2人に重軽傷を負

わせた事件を起こしました。

  5月の殺人・死体遺棄事件を受けて米国・米軍の「綱紀粛正」

と日本政府による「再発防止策」(米軍犯罪対策として、警察官の

増員やパトカーの増強の予定)が話し合われ、実施されようとして

いました。

 米軍属女性殺人・死体遺棄事件を受け、在沖米軍が基地外で

の飲酒を30日間禁じる措置を講じてから1週間ほどしかたってい

ない中で起きたのです。

  「綱紀粛正」や「再発防止策」が何ら実効性がないことをあらた

めて証明したのです。

 米軍人・軍属には、「自分たちは特権に守られており、米軍基地

内に逃げ込めば日本側に逮捕されず、証拠隠滅も可能だ。」とい

う意識が強くあるため、ふらちな行動を招いているのは想像に難

くないのです。この根拠を沖縄タイムスが記事にしていました。

 英国人ジャーナリストのジョン・ミッチエル氏が情報公開請求で

入手したもので、同氏は「米軍が沖縄を見下してもいいと教育し、

何も知らない若い兵士の態度を形作っている。『良き隣人』の神

話は崩壊した。」と批判しています。在沖縄米海兵隊が新任兵士

を対象に開く研修で、米兵犯罪などに対する沖縄の世論につい

て「論理的というより感情的」「二重基準」「責任転嫁」などと教え

ているのです。また、「『(本土側の)罪の意識』を沖縄は最大限

に利用する」「沖縄の政治は基地問題を『てこ』として使う」など

として、沖縄蔑視をあらわにしています。

 事件・事故については、「米軍の1人当たりの犯罪率は非常に

低い」と教育し、「メディアと地方政治は半分ほどの事実と不確

かな容疑を語り、負担を強調しようとする」と批判しているのです。

 これが米軍が事件・事故の再発防止策の一つと説明してきた

研修の内容であることから、再発防止どころか差別意識を拡大

しており、直ちに改訂すべきです。

 沖縄県はこれまでも事件・事故の起きる度に、捜査に関わる特

権を米軍人・軍属から剥奪する日米地位協定の抜本的改定を日

本政府・米軍に要求してきました。全米軍基地に国内法を適用し

基地内での全ての捜査を可能にすべきなのは当然の要求です。

 しかし、安倍首相は、翁長知事の強い要請にもかかわらず、無

視し前述したように「再発防止策」に終始したのです。しかも「辺

野古新基地建設」は普天間基地の危険性を除去する唯一の解

決策だと菅官房長官に明言させたのです。

 沖縄県では復帰後、米軍絡みの事件は昨年末までで5896件

も起こされているのです。今回の事件も、いわば約6千分の1に

すぎないのです。

 沖縄での米軍絡みの事件事故を本気でなくしようとするなら、

地位協定改定より期待できる対策があります。沖縄への基地集

中をやめさせることです。沖縄県だけにこれほど被害を集中させ

るのは、あまりに理不尽です。

  沖縄差別です。

 沖縄差別をやめさせ、

  <憲法>を<平和的生存権>を確立させようで

はありませんか。

 共に声を挙げましょう。

沖 縄 に <  憲  法  > を !

 < 平 和 的 生 存 権 > を !