2016年10月アーカイブ

  ✤内田雅敏さん

(弁護士・『戦争をさせない1000人委員会』事務局長)

 


 [ 安 ]

-死者達、私達、未来の人たち、

  そしてアジアの人たちの声を裁判所に届けようー

 安倍首相は、臨時国会において「新たな任務も含

め、自衛隊のいかなる活動も「PKO5原則」が満た

されることなどを前提として行うものであります。『殺

し、殺される』などというおどろおどろしいレッテル貼

りは全く的外れであります。」と述べました。

 しかし、南スーダンでは7月に大規模な武力衝突が

発生し、民間人数百人や中国軍兵士2名が犠牲にな

りました。その後も内戦は続いており、「停戦合意」は

存在せず、「PKO5原則」は成立しません。 11月には陸上自衛隊第9師団第5普通科連隊(青

森駐屯地)が派遣されるのです。安保法制=戦争法

に基づく自衛隊の新任務―「駆け付け警護」や「宿営

の共同防護」の任務を付与される可能性が大です。

『殺し、殺される』危険性は増しているのです。

 「戦争法」は「集団的自衛権行使」を認め、「武力行

使」と一体となる「駆けつけ警護」や「後方支援活動」

など、明確に憲法9条に違反しています。

 「戦争法」反対・廃案の声が高まり、南スーダンへの

「自衛隊派遣」反対の声も高まっています。  

 裁判所には、憲法81条の違憲立法審査権がありま

す。東京では<安保法制違憲訴訟の会>が結成され

「安保法制は憲法違反だ。」との判断を求めて訴訟し

理がはじまっております。

 札幌でも弁護士を中心に学者・作家・医師・自衛隊

の母親・労組活動家などによって<安保法制違憲

訟・北海道>の結成と訴訟準備が進んでおります。

 今回、<東京・安保法制違憲訴訟の会>の中心と

なってきた弁護士であり、<戦争をさせない1000人委

員会事局長>でもある内田雅敏さんを招いて下記の

り講演会を開催します。ご参加をお待ちしておりま

す。

 

  ☞ 内 田 雅 敏 さ ん 講 演 会 次 第 ☜ 

日 程 :2016年11月 6日(日)13:30~15:50

会 場 :札幌市教育文化会館

札幌市中央区北1条西13丁目 Tel011-271-5821

参加費 :資料代として500円

主 催 :護憲ネットワーク北海道

後 援 : 北海道平和運動フォーラム  

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◆内田雅敏(うちだ まさとし)さんのプロフィール

1945年愛知県生まれ、1975年東京弁護士会登録。

現在、日本弁護士連合会憲法委員会委員、

    東京弁護士会憲法問題協議会委員。

 弁護士としての通常業務の外に、「西松建設中国人強制連

行・強制労働事件」、「日の丸・君が代」処分問題、

立川自衛隊宿舎イラク反戦ビラ入れ一審無罪判決、

自衛隊イラク派兵違憲訴訟など。

 主な著書:

「弁護士─"法の現場"の仕事人たち」(講談社現代新書)、

「《戦後》の思考─人権・憲法・戦後補償」(れんが書房新社)、

「憲法9条の復権」(樹花舎)、

「懲戒除名─"非行"弁護士を撃て」(太田出版)、

「憲法9条と専守防衛」(箕輪登氏との共著・梨の木舎)、

「靖国には行かない。戦争にも行かない」(梨の木舎)、など多数。

8・28西尾正道さん講演会報告

8月28日、教育文化会館を会場に北海道がんセンター名誉院長

西尾正道さんを招いて『日本社会のあり方を考える』

~放射能汚染・健康を害する食品問題

 ・医療を壊すTPP~と題して講演会を開催しました。

 講演に先立って、当会の共同代表でもあり

「後志・原発とエネルギーを考える会」会員であり、泊原発再稼

阻止に向けて反対行動を繰り広げている広報行動隊の瀬尾

氏より再稼働を巡る取り組みの現状報告がありました。

 本年5月3日の北海道新聞記事・後志20市町村首長の「泊

原発再稼働に対するアンケート」を元に首長に再稼働の問題

点を糺したり、各地の住民に対するチラシ配布や街頭宣伝を

行うとともに、北電住民説明会に参加して質問したり反対意

見を出していることなどが報告されました。

  再稼働反対は小樽市・積丹町・仁木町・蘭越町であり、

後志管内の人口の61%を占めています。それに対しての

「再稼働賛成」は、泊村・寿都町・喜茂別町であり、3,3%

にすぎません。どちらとも言えないと答えたのは余市町など

13町村ですが、その中を分析すれば「隠れ賛成」がいるこ

とが問題であり、今後明確な賛成表明をさせないことが重

要です。

  岩内町在住の原発紙芝居作家であり、北海道がんデー

ター研究家の斉藤武一さんによる「後志地域のがん」の状況

によると、北海道は青森県について全国2位の死亡率であり、

その中で泊村が1位、岩内町が2位であり、その他にも積丹

町・神恵内村・島牧村など原発周辺町村が続いていることか

らも原発が周辺住民の健康被害を拡げていることが明白で

す。

  また、原発立地市町村の死亡率比較でも泊村が1位であり

、岩内町が2位であることも明らかになっています。

 

  講演に移り西尾先生は、放射線医師になってからの40年間

前半は「切り過ぎる外科医」とのたたかいであり、後半は「抗

癌剤に固執する内科医」とのたたかいであったと語り始めました。

 3・11以降は放射線医師としての<社会の中の科学・医学とい

う視点で相対視・客観視することが重要>を根底において放射能

汚染・健康を害する食品問題・農薬汚染問題・医療を破壊するTP

P問題などに積極的に警鐘を鳴らし続けてこられたようです。


 原子核分裂の発見やDNAの二重らせん構造の発見などの歴史

を説明しながら、戦後70年は原子力利用と遺伝子操作などの人

史上でも特別な科学・技術を生み出し地球規模で拡大した。

 一方には膨大な利益をもたらすが、他方では人類滅亡への道と

なりえる技術であり汚染や食物連鎖をともなって次世代・次々世

へも影響が残る問題を内包していると指摘しました。

「科学技術」・「情報」に政治からの独立性は皆無であり、富の源

になっていることをも指摘しました。

  国際放射線防護委員会(ICRP)の設立経過に触れながら事

目的は、「科学的、公益的観点に立って、電離放射線の被ばく

よるがんやその他疾病の発生を低減すること、及び放射線照

射による環境影響を低減することにある」とされているが、その

内実は「原発推進」の民間団体であると問題点を鋭く突きました。

 ICRPの放射線防護体形系が核物理学・放射線医学の基本と

されていることから全ての問題が発生しているとも指摘しました。

 放射線に関する概念と単位について詳細に説明しながら、核

理学は放射性元素が「気体」の時の測定・計算・実験データ

ーで理論を構築しており、「線量」として「Sv」を単位としているこ

とが基本的問題であると述べました。つまり、福島原発から放出

された放射能性物質は「気体」ではなく大部分が、事故=爆発に

より原子力燃料を含んだ超微粒子・微粒子となって飛散した固体

であると断言しました。

  その現象として漫画「美味しんぼ」の鼻血事件があると説明し

した。放射性微粒子が肺に入り、肺から異物として出され鼻の

粘膜に付着したために強い放射線に粘膜が破壊されてが鼻血が

出たのであり、福島県の御用医師や政府高官が「ストレスを原因

」と否定したがストレスでは鼻血が出ないことは医学界の常識であ

り詭弁そのものであると批判しました。

 また、外部被曝と内部被曝をたとえると、外部被曝とは、薪ストー

ブにあたって暖をとることであり、内部被曝はその燃え盛る"薪"を

小さく粉砕して口から飲み込むことであると説明しました。そして、

ICRPは前述したように「原発推進」の立場から「内部被曝」も「外

部被曝」も線量が同じで影響も同じと考える取り決めをしており、

内部被曝の過小評価が最大の誤魔化しであると断言しました。

 さらに放射線の人体影響の因子は線量「Sv」だけではなく、受

卵・胎児などの分裂が盛んな細胞や未分化な細胞であること

など年齢による因子を軽視しているとも指摘しました。同様に遺

伝子などへの低線量放射線の被曝の影響についても軽視されて

いる。と述べました。

  福島原発事故後の政府の対応についてもふれ、一般大衆

=福島県内<事故以前1mSvを20mSvに引き上げた>が、

放射線管理区域<5,2mSv>であり、管理区域内では飲食が

禁止されているし、18歳未満の作業が禁止されている。>

 二重基準であり、「被曝列島」と化していると指摘しました。


 事故処理についても「セシウム」のみを対象にしているが、放出さ

れた放射能に含まれる核種は「トリチウム」など数十種類であり人

・環境に与える影響は計り知れないとも指摘しました。


 次の課題であるTPP=環太平洋連携協定に移り、日本の社会

度が50以上の法律を変更して米国化されると危機感を持って

訴えました。

経済的連携と名付けられているが、経済的植民地化であると述

べ、

① 日本経済への影響、② 農業の多面的機能への影響、

③食の安全への影響、④ 医療の質や医療費への影響、

⑤ 世界の飢餓、⑥ 安全保障・海底資源開発への影響、

⑦ 日本の規制・制度への影響(ISD条項)など多岐に亘ると

指摘しました。

  特にISD条項(投資家保護)は、相手国に投資した米国企

業が相手国の政策によって損害が出れば世界銀国傘下の「国

際投資争仲裁センター」に提訴でき、米国で裁判が行われる

が相手国が敗訴する仕組みであり、米国グローバル企業の利

益を保護するものであると訴えました。


 米国製薬業界と保険業界の標的にされているのは日本の医療市

場であり、その根拠として、米国製薬会社や医療業界は防衛産業

界や石油・ガス業界などを大幅に上回る巨額のロビー活動費を注

ぎ込んで日本のTPP参入を策してきたと指摘しました。

 米国には健康保険制度はないために高額な医療費がGDPの

20%を占めており、家庭破産の62%は医療費が原因となって

おり、健康・生命も所得次第になっていると指摘しました。

  医薬品の特許データー保護期間や薬価決定に米国のように

薬会社の要求が通るように変更され薬価が高騰し長期的に考

えた場合、公的医療保険制度が崩壊したり、民営化が急激に進

み大変な状況が現出します。現在でも日本の主な抗癌剤の薬価

(一月あたり)が従来の数千円から数万円のものが新タイプのも

のは数百万円になっており、薬剤費はこの22年間で10倍になった

とがん治療の実態を述べながら警告を発しました。


  医療問題とともに生命を脅かすTPPの大きな問題点は食糧問

であると指摘しました。

米国の牛肉などには、飼料に高濃度女性ホモンが投入されて

おり、国内の米国牛肉消費量と前立腺がん、乳がん、卵巣がん、

子宮体がんなどの発がんが相関しており5倍増になっている。

 また、国内の農産物に使用される除草剤、ネオニコチノイド系農

ポストハーベスト農薬などの残留度がこの15年間で3倍も緩和

されたことにより、頭痛・吐き気・心電図異常・子どもの脳の発達

障害・若年期での自閉症や精神疾患など多数の健康被害が頻発

していると警告しました。


 大豆、トウモロコシ、小麦などのGM(遺伝子組み替え)作物が

昨今問題となっているが、GMトウモロコシは中性脂肪を増加させ

ることが明らかになっているし、発がん性の疑いもあるのです。

コーンスターチ(澱粉)は、人工甘味料として多くの食品の素材に

なっているが、特に飲料に使用されており危険です。

 低線量の放射線と低用量の毒性化学物質に汚染されると、一

方だけではがんが発生しなくても、相乗効果でがんが発生しやす

くなり大規模な「多重複合汚染」が問題となると警告しました。

 安倍内閣ではないが、[今だけ・金だけ・自分だけ]との揶揄が

あるが、現状はお金のために嘘と隠蔽で科学の独立性が脅か

されています。

 現代社会の文明を支える科学技術の人体や生態系への影響

を科学的に分析し、社会全体で「光と影」を使い分ける見識が

必要であるとまとめてくれました。


  西尾先生は放射線医師としての豊富な体験を踏まえて、

写真・図・具体的な数字などをあげて講演してくれました。

熱気あふれる講演は、予定を大幅に超えて120分になりました。