憲法25条と憲法27条・28条の狭間を考える

憲法25条

<すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む

  権利を有する>

憲法27条

<すべての国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。賃金、

就業時間、休息、その他の勤労の条件に関する基準は法律

でこれを定める。>

憲法28条

<勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動を

する権利はこれを保障する。>


  8時間の勤労、8時間の睡眠、8時間の自由

 これは、国内外の労働者が長期間に亘るたたかいの中で確立

された全労働者の権利である。EUなどでは6時間労働制度の

確立に向けてたたかわれている。

 しかし、現在の日本社会でははたして、何万人が8時間労働が

保障されているのだろうか。

 2017年度の総務省の就業構造基本調査にによると労働人口

6,621万人の中に占める非正規労働者は4割で2,133万人と過去

最多を更新した。ご承知のように非正規労働者は低い年収と雇

用不安に怯えながらの生活を強いられている。

  6月29日の参議院本会議で「働き方改悪関連8法」が強行

採決された。労働者の命と健康を脅かし、生活を破壊する法の

施行は許されるのか?

 否、許されないのだ。憲法違反であることは明白だ。

 この間の「違憲立法」は、関連法としてひとくくりで提案し、審議

時間の短縮を図り国民に内容が不明のまま強行採決されてきた。

安倍首相が述べてきた「国民の理解を得るために丁寧に説明す

る」との言葉とは真逆の事態であり、又、問題点が明白になり反

対運動が盛り上がることを恐れての反対運動を封じ込める一括

提案・一括審議であり、非常にあくどい戦術であることは明白で

あり、二重三重に許されない。

  安倍首相が年頭国会で「働き方改革国会」と自ら命名し,臨

んだ国会審議は異常の連続であった。裁量労働制を巡るでたら

めなデーターで、財界が最も期待したが関連法から外された。

しかし、その後もでたらめな労働時間データーが発覚したことは

記憶に新しい。にもかかわらず、加藤厚労相の不誠実極まりな

い答弁の下でも審議を強行した。

 前述したように時間の制約の下で審議は「高度プロフェッショ

ナル」に集中せざるを得なかった。過労死基準を超える「残業時

間の上限規制」、「勤務時間インターバル」の骨抜き、格差の解

消には程遠い「同一労働同一賃金ガイドライン」、「有給休暇の

義務的取得」、「中小企業の残業代割増率の先送り」等々、問題

は残されたままである。文字通りおまけの付帯決議が47項目も

付けられたが、何の効果もないことは付帯決議の歴史が証明し

ている。

さらに「裁量労働制」や「解雇の金銭解決」が登場することは明

白であり、審議の中で一部明らかになった労働の実態を元に反

対運動の再構築が問われている。

 冒頭に例示したが、憲法25条と27条・28条の乖離はすさまじ

く、労働基準法制空洞化の進行を許すならば労働運動の存在意

義を失うことは必至である。

 一日8時間の労働と8時間の睡眠を確保し、8時間の自由時間

を有意義に過ごすことが保障される社会の実現に向けて取り組

みを強化しなければならない。
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